FTTH(Fiber To The Home)は、 光ファイバーを利用者の自宅まで直接敷設する方式 のことです。
光回線の中でも最も純粋で、最も高速で、最も安定した接続方式であり、 現在の日本の固定インターネットの標準になっています。
1. FTTH の本質:物理層が“光”で完結する方式
FTTH の最大の特徴は、 家の中まで光ファイバーがそのまま届く という点です。
局舎(OLT)
↓ 光ファイバー
分岐装置(スプリッタ)
↓ 光ファイバー
宅内(ONU)
途中で銅線に変換しないため、 光のメリットをそのまま享受できます。
2. 光ファイバーの技術的メリット
2-1. 距離による減衰が極めて小さい
光信号はガラス内部で“全反射”しながら進むため、 数十kmでもほとんど劣化しません。
ADSL のように「局舎からの距離で速度が落ちる」問題がありません。
2-2. 帯域が桁違いに広い(THz帯)
銅線は数MHzの帯域しか使えませんが、 光ファイバーは 数十THz(テラヘルツ) の帯域を扱えます。
その結果:
- 1Gbps
- 10Gbps
- 将来的には100Gbps級も可能
という“桁違いの高速化”が実現します。
2-3. 電磁ノイズの影響を受けない
光は電磁波ではなく“光パルス”なので、
- 家電
- 電線
- 雷
- 他の通信線
こうしたノイズの影響を受けません。
安定性が非常に高いのが特徴です。
2-4. 上り・下りが対称にできる
光は双方向で同じ帯域を確保できるため、 上りも下りも高速 にできます。
クラウド、動画投稿、オンライン会議など “上りが重要な時代”に最適。
3. FTTH が普及した背景
3-1. ADSL の物理的限界
ADSL は銅線を使うため、
- 距離減衰
- ノイズ
- 上りの遅さ
- 帯域の限界
といった構造的な制約を抱えていました。
光回線はこれらをすべて解消します。
3-2. NTT のアクセス網の光化
NTT は 2000 年代後半から メタル回線 → 光回線 への置き換えを進めました。
- 局舎設備の簡素化
- 保守コストの削減
- 高速化ニーズへの対応
これにより FTTH が全国的に普及。
3-3. 動画・クラウド時代の到来
YouTube、Netflix、Zoom、クラウドストレージなど、 大容量通信が前提の時代 になり、 FTTH の帯域が必須になりました。
4. FTTH の構成要素
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| OLT(Optical Line Terminal) | 局舎側の光信号制御装置 |
| スプリッタ | 1本の光を複数家庭に分岐 |
| ONU(Optical Network Unit) | 家庭側で光信号を電気信号に変換 |
| 光ファイバー | データを光パルスで伝送 |
特にスプリッタは PON方式(Passive Optical Network) の要で、 電源不要で光を分岐できるのが特徴です。
5. FTTH のまとめ

FTTH = 光ファイバーを家まで直接引く方式
その結果:
- 距離減衰がほぼゼロ
- ノイズの影響ゼロ
- 帯域が桁違い
- 上り・下りが高速
- 安定性が高い
という、現代のインターネットに最適な物理層が実現しています。



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