地域密着型サービスの中でも、 「小規模多機能型居宅介護(小多機)」と 「看護小規模多機能型居宅介護(看多機)」は名前が似ているため、 違いが分かりにくいという声をよく聞きます。
しかし、この2つは 制度上の役割・人員基準・提供できるサービス内容 が異なるため、 介護報酬(=国が定める単位数)もまったく別の体系になっています。
この記事では、まず 全国共通の「単位数」 を示し、 そのあとに 円換算は地域差がある という制度の仕組みを分かりやすく解説します。
まず押さえておきたい前提
国が決めているのは「単位数(報酬の基礎)」だけです
介護報酬は、厚生労働省が告示で定める 全国共通の単位数 によって決まります。 この単位数は全国どこでも同じで、固定値です。
一方で、
- 1単位=何円か
- 利用者が実際に支払う金額はいくらか
といった 円換算の部分は地域区分(1〜7級地)と負担割合(1〜3割)で変わります。
そのため、報酬表では「例:7級地・1割負担」といった表記が使われます。
小規模多機能と看護小規模多機能の制度上の違い
小規模多機能型居宅介護(小多機)
小多機は、以下のサービスを一体的に提供する地域密着型サービスです。
- 通い
- 泊まり
- 訪問介護
医療行為は基本的に行わず、介護中心の支援を行います。
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)
看多機は、小多機の機能に加えて、
- 訪問看護(看護師による医療ケア)
- 24時間の医療的支援
- 看取り対応
が可能です。
医療ニーズの高い利用者を在宅で支えるために設計されたサービスで、 看護師の配置が義務づけられています。
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)基本報酬(月額)
【全国共通・固定単位】
| 要介護度 | 単位数 |
|---|---|
| 要介護1 | 12,447単位 |
| 要介護2 | 17,415単位 |
| 要介護3 | 24,481単位 |
| 要介護4 | 27,766単位 |
| 要介護5 | 31,408単位 |
小規模多機能型居宅介護(小多機)基本報酬(月額)
【全国共通・固定単位】
| 要介護度 | 単位数 |
|---|---|
| 要介護1 | 10,320単位 |
| 要介護2 | 15,167単位 |
| 要介護3 | 21,086単位 |
| 要介護4 | 24,670単位 |
| 要介護5 | 28,249単位 |
固定単位の比較
| サービス | 要介護1 | 要介護3 | 要介護5 |
|---|---|---|---|
| 小多機 | 10,320単位 | 21,086単位 | 28,249単位 |
| 看多機 | 12,447単位 | 24,481単位 | 31,408単位 |
→ 看多機のほうが約2,000〜3,000単位ほど高い → これは「看護師配置」「医療ケア」「24時間対応」のためです。
円換算は地域区分で変わります
介護保険では、地域の物価や人件費の違いを反映するため、 地域区分(1〜7級地) が設定されています。
例として、
- 7級地(東京など) → 1単位=約11.4円
- 1級地(地方) → 1単位=約10.1円
となり、同じ単位数でも金額が変わります。
さらに、利用者負担が
- 1割
- 2割
- 3割
のどれに該当するかでも支払額が変わります。
そのため、報酬表では 「例:7級地・1割負担」 という表記が使われるのです。
まとめ

看護小規模多機能型居宅介護と小規模多機能型居宅介護の介護報酬が異なる理由は、 サービス内容と人員基準が根本的に違うためです。
- 小多機は介護中心
- 看多機は医療+介護(看護師必須)
この違いが、国が定める単位数(=報酬)に反映されています。
そして、 円換算は地域区分と負担割合で変わるため、金額は“例”として示されます。
制度の構造を理解しておくことで、 報酬表の見方やサービス選びがぐっと分かりやすくなります。


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