消費税という名前には、 「消費者が払う税」という印象が強くあります。 レシートに印字された税額を見て、 自分がそのまま納めているように感じるのは自然なことだと思います。
ただ、制度の流れを静かに追っていくと、 その印象とは少し違う姿が見えてきます。 実際に税を納める義務があるのは事業者であり、 消費者には納税義務がありません。 私たちが支払っているのは、 あくまで「税込価格」という形で上乗せされた金額です。
この構造を知ったとき、 私は名前がつくことで生まれる“見え方”の強さを感じました。 消費税という言葉は、 消費者が直接納めているような気配をまとっています。 けれど、制度の中で動いているのは、 売上と仕入の差額という、事業者側の数字です。
もしこの税が「売上に付随する税」と呼ばれていたら、 私はここまで違和感を持たなかったかもしれません。 名前が示す場所と、 実際に義務が発生している場所のあいだに、 わずかな距離のようなものがあります。
消費者は消費税を納める義務がない。 この事実は制度上は当たり前なのだと思いますが、 日常の感覚とは少しだけずれているように感じます。 その小さなずれが、 私には静かな興味として残っています。


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