会社の財務を学び始めた頃、 「貸借対照表を見れば、会社にどれだけ財産があるか分かる」 という言葉に出会いました。 けれど、その一文だけでは、 なぜ“分かる”のかが、最初はうまく掴めませんでした。
貸借対照表は、 会社が持っているものと、抱えているものを ただ静かに並べているだけの表です。 現金、建物、在庫といった“財産”が左側に置かれ、 借金や支払いの義務が右側に置かれる。 その配置はとても素朴で、 まるで家計簿の延長のようにも見えます。
けれど、眺めているうちに気づきました。 この表は、会社の“いま”をそのまま写しているのだと。 どれだけの現金を持ち、 どれだけの資産を抱え、 どれだけの借金を背負っているのか。 そのすべてが、余計な装飾もなく並んでいる。
会社の財産とは、 派手な売上でも、 華やかな広告でもなく、 この表の左側に静かに積み上がっているものです。 そして、右側にある義務と向き合ったとき、 その会社がどれだけ“自分の力で立っているか”が見えてくる。
貸借対照表は、 会社の財産を知るための表であると同時に、 その会社がどんな姿勢で経営されているのかを そっと教えてくれる表でもあるのだと感じました。

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