裕斗の口座には、何度も冬が訪れた。
ナンピンという選択は、彼にとって“希望の先送り”であり、
“過去との同居”でもあった。
ポジションは持ち続けられた。
損切りされることはなかった。
でも利確することもなかった。
月日は流れ、年をまたぐ。
仲間は次々に退場していった。
彼だけが、相場の片隅に居続けた。
そして——3年目のある朝。
それは何気なく見たチャート。
相場は反転していた。
利が出ていた。
裕斗は震えた。
指がマウスに伸びる。
全部を、利確した。静かに、慎重に。
そしてその瞬間、口座に表示された数字よりも
ずっと重かった感覚が、胸に届いた。
「やっと…この時間にも意味があったんだ。」
それは数字ではない。
ナンピンを続けた時間に意味が宿る瞬間。
それが、彼にとっての真の“プラス”だった。
【サイト運営者の感想】
確かに彼の勝です。でも、時間効率が悪すぎでしょ。


HR