ラジコンが跳ねる。 プロポの音が、昭和の空気を揺らす。 「通商」という語尾が、輸出と夢を連れてくる。 FAIR MATE──そのブランド名は、記憶の奥で点滅する。
会社はもうない。 でも、名前は残っている。 それは、構造ではなく、語感の中にある残像。 朝日通商株式会社。 玩具と電子機器の間をすり抜けながら、 ラジコンという記憶媒体に、そっと身を潜めていた。
1980年代、音響機器と通信機器の間で、 ラジコンは静かに跳ねていた。 その跳ね方は、企業の事業内容ではなく、 名前の語感に宿っていたのかもしれない。
朝日通商は、やがて朝日コーポレーションとなり、 カシオの子会社になり、そして消えていった。 でも、FAIR MATEの記憶は、 CCPのラジコンの中に、かすかに残っている。
会社の構造は揺らぎ、 名前の語感は残る。 それは、企業史ではなく、 ラジコンの音に宿る設計。
朝日通商株式会社── それは、ラジコンの中に潜む、名前の余白。



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