後期高齢者医療制度は、75歳になると自動的に切り替わります。 けれど、その「75歳」という線は、制度の都合で引かれたものであって、 人の生活や体の変化とぴったり重なるわけではありません。 誕生日を境に、医療の扱いが変わるという仕組みは、どこか不思議な感じがします。
制度の説明では、75歳以上は「後期高齢者」と呼ばれます。 けれど、本人の感覚はもっと連続的で、 昨日までと同じ体で、同じ生活をしているだけです。 それでも、保険証の色が変わり、負担割合が変わり、 医療のまわりにある“扱われ方”が少しずつ変わっていきます。
制度は年齢で区切りますが、 年齢は人の状態を正確に示す指標ではありません。 元気な人もいれば、支えが必要な人もいる。 そのばらつきを抱えたまま、制度は一律に線を引きます。 その線が、生活の中で静かに存在感を持ち始めるのです。
75歳という数字は、ただの数字です。 けれど、その数字が制度の中で意味を持つとき、 人は自分の年齢を“制度の言葉”で意識させられます。 後期高齢者という呼び方もまた、 生活の実感とは少し離れた場所で生まれた言葉なのだと思います。

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