冷蔵庫の中に、牛乳と生クリームが並んでいた。 どちらも白くて、どちらも乳製品。 でも、なぜか「違うもの」として扱われている。 料理のレシピでも、「牛乳じゃなくて生クリームを使ってください」と書かれていることがある。 そのたびに、ちょっとだけ置いてかれる。
脂肪分が違う──それは知ってる。 牛乳は約3.5%、生クリームは35%。 数字で見れば、確かに違う。 でも、その違いが「使い分けの正しさ」になる瞬間、 自分の感覚が少しだけ遠くなる。
生クリームは泡立つ。牛乳は泡立たない。 その違いが、ケーキのデコレーションを可能にする。 でも泡立て器を回しているとき、 「これは牛乳じゃダメなんだ」と思うより先に、 「これは生クリームであるべき」という“記号”が先に立ってしまう。
牛乳は日常、生クリームは特別。 そういうラベルが貼られている気がして、 そのラベルに従って使い分けることが、 いつの間にか「正しさ」になっていた。
でも今日は、その“正しさ”に体温が乗ってこなかった日。 牛乳と生クリームの違いが、 ありがたみよりも、境界線として見えてしまった記録です。


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