JICAという語感には、硬さと柔らかさが同居しているように感じます。 それは「Japan International Cooperation Agency」の略称であり、 日本の政府開発援助(ODA)を担う実施機関です。
けれど、「協力」という言葉は、どこか曖昧です。 それは、支援でもなく、援助でもなく、命令でもない。 相手の主体性を前提にしながら、何かを一緒に進めるという構造。 その構造は、技術協力、資金協力、人材育成、ボランティア派遣など、 多様なかたちで展開されています。
JICAは、モンゴルの高等教育支援やアフリカの農村開発、 ウクライナの行政官育成や南スーダンの地雷対策など、 国や地域ごとに異なる“協力のかたち”を模索し続けています。
けれど、その協力は、どこまでが「支援」で、どこからが「介入」なのか。 どこまでが「共創」で、どこからが「代行」なのか。 その境界線は、プロジェクトごとに揺らいでいるようにも見えます。
JICAは、「人間の安全保障」と「質の高い成長」を掲げています。 それは、理念としては明確だけれど、 現場では、もっと複雑で、もっと未定義なものに向き合っている。
協力という語感は、やさしい。 けれどそのやさしさは、時に構造をぼかす。 そしてそのぼかしの中にこそ、 JICAという存在の輪郭が、少しずつ浮かび上がってくるのかもしれません。



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