介護保険制度には「予防」という言葉がよく登場します。 介護予防サービス、介護予防支援、総合事業の予防給付。 けれど、この言葉は介護をする側に向けられたものではなく、 要支援の人や、これから介護が必要になる可能性のある人に向けて 使われている言葉です。 “これ以上、生活機能が落ちないように” “できることを維持できるように” そんな願いを込めた制度上の表現なのだと思います。
介護予防サービスは、 要支援1・2の人が利用する実際のサービスです。 訪問介護や通所サービスなど、 暮らしの中で必要な支援を受けながら、 生活機能の維持を目指します。 ここでの「予防」は、 利用者の生活を守るための言葉です。
一方で、介護予防支援は、 地域包括支援センターが行うケアマネジメントの正式名称です。 要支援の人に対して、 どんな支援が必要かを一緒に考え、 介護予防ケアプランを作成する仕事。 介護を“する”のではなく、 支援を“組み立てる”役割です。 ここでも「予防」は、 利用者の状態を維持するための計画づくりを指しています。
「予防」という言葉が支援者側に向けられているように感じるのは、 制度の名称が専門的で、 日常の感覚と少し離れているからかもしれません。 けれど、その言葉の中心にあるのは、 あくまで利用者の生活を守るという視点です。 支援者に向けた言葉ではなく、 利用者の未来に向けた静かな願いとして 制度の中に置かれているのだと思います。


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