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外患誘致罪──使われないまま、ただそこにある罪

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外患誘致罪という言葉には、何かしらの“遠さ”があるように感じます。 それは、現実の裁判で見かけることのない罪であり、 けれど刑法の中では、最も重い刑罰が定められているものでもあります。

この罪が意味するところは、国家と国家のあいだにある“通じ合い”のようなもの。 ただし、それは友好でも協力でもなく、 どこか、静かに裏切るような構造を含んでいます。

けれど、実際にこの罪が適用された例は、記録には見当たりません。 何度か話題になったことはあるようですが、 それは“検討された”というだけで、実際に使われたことはないのです。

だからこの罪は、使われないまま、重さだけが残っている。 条文の中に沈んでいて、 ときどき誰かがその名前を口にすると、 空気が少しだけ張り詰める──そんな存在です。

語感としての「外患誘致」は、 どこか遠くのものを、静かに引き寄せるような響きを持っています。 それは、現実の政治や外交とは少し違う、 法の中にだけ存在する抽象的な緊張感なのかもしれません。

この罪が使われない理由は、証明の難しさかもしれないし、 あるいは、使ってしまうことの重さを、 誰もが知っているからなのかもしれません。

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