本を読んでいて、 「クロール(Cl)」という表記に出会うと、 一瞬だけ頭の中で泳ぎ方のクロールがよぎってしまいます。
でも化学の世界では、 塩素のことを “クロール(Chlor)” と呼ぶ という静かなルールがあります。
ドイツ語や英語の語源がそのまま残っていて、 元素記号 Cl は chlorine(クロリーン)、 語幹の chlor-(クロール) が そのまま専門書の中に息づいている。
だから、 「クロール(Cl)」と書いてあったら、 それは泳ぎ方ではなく、 塩素のことを指しているのです。
プールの匂い、 消毒のイメージ、 化学式の並ぶページ。 どれも別々の世界のようでいて、 “クロール”という言葉が 静かに橋をかけてくれる。
言葉は時々、 自分の中の記憶と結びついて 思わぬ方向に連れていってくれます。
クロールと塩素。 似ているようで違う。 でも、 どちらも水の世界のどこかで そっとつながっているように感じるのが この言葉の面白さです。
HR