「逮捕されるケースが極めて少ない」という語に触れたとき、
それは、刑事事件の制度が持つ“拘束”という語感が、
意外にも多くの場面で発動されない構造として立ち上がります。
制度としては、刑事訴訟法第199条に基づく逮捕の要件があり、
「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅の可能性」が認められなければ、
逮捕状は発行されず、在宅捜査や書類送検という粒子に移行します。
語感としては、「身柄を拘束しないまま進む捜査」「罪の重さよりも逃げる可能性」「沈黙のまま進む手続き」。
実際、2019年の統計では、刑事事件の被疑者のうち逮捕されたのは約36.4%に過ぎず、
つまり約3人に2人は逮捕されないまま捜査が進められているという記録があります。
たとえば、交通事故の加害者や軽微な財産犯、
定職があり、家族がいて、逃亡の可能性が低いと判断された場合など、
逮捕という制度は発動されず、静かに捜査が進行します。
それは、「逮捕される=罪が重い」という直感的な語感が、
制度の運用によって揺らぎ、
「拘束されないまま進む構造」が浮上する瞬間でもあります。
今日は、「逮捕されるケースが極めて少ない」という語に触れて、
制度と語感、そして拘束されない粒子の揺らぎを記録した日です。
語れるほどではありませんが、
沈黙のまま進む捜査として、その余白をそっと残しておきたいと思います。

HR