「NISAって儲かるものですか?」 その問いを見たとき、 自分の中に二つの感情が同時に立ち上がることがあります。 ひとつは、 “そんなことも知らないんだ”という 小さな驚きの気配。 もうひとつは、 “世の中とはこういうものかもしれない”という ゆるやかな納得です。
驚きの方には、 自分がすでに知っている世界と、 まだ知らない人の世界のあいだにある 段差のようなものが含まれています。 その段差は、 知識の量ではなく、 ただ触れてきた時間の違いから生まれるもの。 だから、 驚きは相手への評価ではなく、 自分の立ち位置を静かに確認する行為に近いのかもしれません。
一方で、 “儲かるのか?”という問いに関心があること自体が、 とても人間らしいと感じます。 投資を始めるとき、 誰もが最初に抱くのは 不安と期待の混ざった感情です。 その混ざり方は人それぞれで、 問いの形もまた人それぞれ。 世の中こんなものかもしれないという感覚は、 その多様さをそっと受け入れる気持ちに近いです。
驚きと納得は、 矛盾しているようでいて、 同じ場所から生まれているのだと思います。 自分が知っている世界と、 知らない世界が隣り合っていることを ふと意識した瞬間に、 この二つの感情が静かに立ち上がる。 その立ち上がり方は、 とてもやわらかく、 とても日常的です。