スズメバチの写真を見ていると、 その存在には、 どこか張りつめた空気が漂っています。 羽の光沢や体の模様は、 自然の中で生きるための形なのだと思いますが、 人の生活に近づくと、 少しだけ緊張を伴う気配になります。
ヤブカラシという雑草は、 街の片隅やフェンスの根元に 静かに広がっていく植物です。 特別に目立つわけではないのに、 夏の終わりから秋にかけて、 小さな花をつけると、 そこにスズメバチが寄ってくることがあります。 蜜が豊富だからだと言われますが、 その理由を知ってもなお、 植物と昆虫の関係が どこか不思議に感じられます。
ヤブカラシの花はとても小さく、 近づかないと気づかないほどです。 それなのに、 スズメバチはその存在を正確に見つけていく。 人が見落とすものを、 彼らは見落とさない。 その違いが、 自然の中で生きる感覚の深さを そっと示しているように思います。
スズメバチが集まると聞くと、 危険という印象が先に立ちます。 けれど、写真を眺めていると、 彼らはただ食べ物を探し、 季節の流れの中で動いているだけにも見えます。 ヤブカラシに向かう姿は、 自然の営みの一部であり、 人の生活とは別のリズムで 静かに進んでいるのかもしれません。